本当に売れる価格とは・・・
これは実際にあった本当のお話ですが、不動産会社の方ならよく経験することです。
先日Cさんから依頼されていた、D町の中古住宅が売れました。
金額は1,700万円でした。販売にかかった月日は9ヶ月間でした。
ところで、皆さん「路線価」ってご存知ですか?
路線価というのは不特定多数が通行する道路に面する標準的な「宅地1㎡当たりの土地評価格」のことで、相続税や贈与税等の課税価格を計算する基準となるものです。
少し難しいですが・・・、これが不動産の査定に大きく関わってきます。
ということで、依頼された中古住宅の付近の路線価を基に、当初査定をしてみました。
この中古住宅の付近の路線価は1㎡あたり、26,000円でしたので 1坪あたり86,000円ということになります。
詳しくは書きませんが、路線価よりも実際の取引相場は大体高くなりますので(これはケースバイケースです)土地の価格を 108,000円/1坪あたり、と評価しました。
つまり、土地代は57坪×108,000円で約 615万円
建物は38坪で、築13年 これも計算方法があるのですが、1,110万円
ということで、査定額は当初1,725万円としました。
ですから、当社が販売できるだろうという金額は1,700万円~1,750万円と結論をだしました。もう9ヶ月前のことです。
そして、売れた金額は1,700万円、ほぼ予想どうり・・・
私が言いたいのは予想が当たったと自慢したいのではなく、どうして売れるまでに9ヶ月間かかったかということです。
その事を今回お話したいと思います。
売れる価格と売主さんの想いはちがう・・・
Cさんと初めてお会いしたのは、昨年末当社の事務所でした。
売却理由や自宅の場所、自宅の状況などお聞きして、来週にもご自宅を見学させていただくことにしました。
まず、地域的には熊本市の北部に位置し、買い物便や学校まで距離がある・・・という印象を受けました。
実際の自宅を見て、土地は5mの南面道路、家は築13年ですが綺麗にされており、メーターモジュールで一つ一つの部屋が広く物件的には問題なしと思われました。
ということで、Cさんに売却希望金額をお尋ねしたところ2,100万円というお答え。
当社の査定金額より400万円高い! ん・・・ 厳しいなあ~、と思いました(当初買われた金額が2,600万円だったそうです。)
そこで、私はどうしたかというと400万円も査定価格と差があると、ダイレクトに本当に売れる価格を言ってもどんな売主さんも受入れてくれません。(よほどお金に困っていれば別ですが)
私は簡単に当社の査定価格を申し上げ、とりあえず2,080万円で当初価格を決め、ホームページやアットホームに掲載することをお話しました。
売主さんと別れて返り道に考えたことですが、「売れるまで長い時間がかかるなあ~・・・」
どの売主さんにとっても、当初自分が買った金額があるということ。そして長く住み続けていれば愛着や自宅に対しての思い入れ、それが本当に売れる金額というものを受入れさせないのです。
実際に売れた価格と月日・・・
売れるまでの価格と販売日数
★平成24年12月(当初価格) 2,080万円
↓
★H25年3月 1,980万円
↓
★H25年5月 1,850万円
↓
★H25年6月 1,790万円
↓
★H25年8月 1,700万円(売れた価格)
いつ売れるかは、インターネットが教えてくれます。
上記を見ていただくと、月日の長さと価格の下落がわかると思います。
まず、2,080万円でホームページに掲載した時は全く見向きもされませんでした。
当社のホームページにもアクセス0です。
理由はこの地域で2,000万円以上の中古住宅を検討していらっしゃる方が無く、アットホームでも2,000万円以下の中古住宅の検索が多いと思われ、2,080万円にはヒットしなかったものと思われました。
もちろん、当社でもこの9ヶ月間は、社員によるポスティングや新聞折込、不動産会社に依頼など販売活動にも力をいれてはいましたが・・・
問合せがない中、売主のCさんとお話して価格を1,980万円にしました。
ここから少し問合せがありましたが、まだまだ高いということで物件のご案内までには至りませんでした。
案内ができたのは1,850万円になってからです。
少し現実味がある価格になったからだろうと思います。
ただし、このお客様はこの金額には納得されず、購入を見送られ決まりませんでした。(このとき1,700万円なら契約になっていたかもしれません。)
そして、いよいよ1,790万円
この金額になってからです!
このころには、当社のホームページにアクセスが増え、3月・4月に比べると検索数も格段に増えました。
売れる前というのはいつもそうですが、検索数が増えることと、物件の中身を一生懸命見られる方が多くなる、これがもうすぐ売れるという信号です。
おもしろいもので、ホームページの検索数を見ると売れる時期と価格がだいたいわかります。
そして、なかなか売れない物件が、結構検索されている場合、その地域に住宅を探している方が多いのだとわかる様にもなってきました。
この取引を終えて・・・
売れるまで長くかかりました。
でも販売期間が9ヶ月間、けっして珍しいことではありません。
1年~2年しても売れない物件、中には7年以上売れていないものも実際にあります。
それは、全部とは言いませんが、ほとんどの場合が価格設定が間違っていることが多いです。
なぜそうなるのか・・・
なぜかというと、買う方もバカではありません、今は情報化時代、インターネットを使って自分が購入したいエリアの物件を一生懸命見たり、不動産会社に問合せされたりしています。
ですから買う方もある程度の相場は知っているものです。
その中で売主さんがいくら思い入れがある自宅だと言っても、自分の家だけが特別に相場よりも高く売れるということはないものです。
ですから、最初に申し上げた路線価を基にした査定金額である程度納得していただければ、早期の販売も可能になると思われます。後は売主の方がどのタイミングで納得されるかです。
かえって、当初の金額を安くして早く売ったほうが、結局は高く売れたケースもあると思います。
長く売れなくて、値段ばかり下げ続けると、買主さんはまだまだ値段が下がると思うもので、これもよくあることですが、
「値段が下がったので見に来ました。」と気に入った物件を見張っていらっしゃいます。自分の購入したい金額まで下がるのを待ち続けていらっしゃるということです。(それほど買う方は、皆さんインターネットで不動産をよく検索されています。)
Cさんも少しづつではありますが、価格を下げることに同意していただきましたので、最終的には売れる相場で売却ができてよかったと思います。
これも大切なお話です。
不動産を見に来られた方で、最初に買いたいと言われた方が、「一番高い金額で買う」という事が多いです。なぜなら最初に見に来られて欲しいと思われた方が、その不動産の価値を一番わかっていただけるということだと思います。
その価格が売主さんにとって納得できなくても、冷静に売れる相場を考えて、担当の不動産会社とよく相談されることです。
このホームページを見られた方で不動産を売りたい方、当社のホームページで
「売れるには、わけがある!」をご覧下さい。
当社で販売のお手伝いができることがあるかもしれません。
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